DTM DAWを使って実際に曲が完成するまでの流れ

DTM

DTMはまるで料理!

素材を準備し味付けをし焼いたり煮たりして加工する。それぞれの食材を上手く組み合わせ、お皿に綺麗に盛り付けて完成。

色々な楽器のフレーズや伴奏を録音・打ち込み。それぞれの音を組み合わせ曲にする。
リスナーが気持ち良く聴けるように音域や音の奥行きを調整。

DTMと料理は全く関係ないように思えますが、完成するまでの工程がよく似ています

最高級の素材を準備しても焼きすぎて焦がしてしまえば、例え料理を完成させても台無しになります。
それと同じように最高にカッコイイギターフレーズを最高の音で録音しても、曲に全く合わなかったり調整を失敗すれば曲を台無しにしてしまいます。

DTMでは素材を準備する事よりも、組み合わせや調整の方が大事で難しいです。

前回の記事ではPCで曲を作る事をDTMといい、DTMに使う機材の解説をしました。
今回は説明した機材をどのように使っているのか。
実際に僕が行っているDTMの一連の流れを、音源を使いながら解説していきます。

※今回は、作りたい曲の作詞・作曲が終わっている事を前提としています。またDTMに決まり事やルールはないので人により作業内容・手順は千差万別です。

DTM 曲が完成するまでの工程

  1.BPM設定

BPM(Beats per Minuteの略)とは1分間の拍数で、音楽におけるBPMは曲のテンポを表します

BPM=60は1分間を60分割したテンポ、つまり1秒はBPM=60になります。
同じようにBPM=120は1分間を120分割したテンポ、なので0.5秒はBPM=120です。

このBPMを設定するとその間隔通りに音を鳴らしてくれる道具をメトロノームといいます。
BPM=60で設定すると1秒間隔で音を鳴らしてくれます。

バラード等穏やかな曲はゆっくりしたテンポの曲が多く、BPMで表すとBPM=60~80等が多いです。
逆にメタル等激しい曲はテンポの速い曲が多く、BPM=200を超えるような曲も多くあります。

バラードとメタルの曲を、BPMだけまるっきり入れ替えてしまうとそれぞれの長所や持ち味を完全に潰してしまうことになりかねません
その為BPMは曲にとって非常に重要な要素となっています。

僕は作曲した曲がどのテンポなら心地よく聞こえるか、メトロノームを使いながらギターを弾いたりメロディーを歌ったりしてBPMを決めています。

  2.ドラム打ち込み

BPMの設定が出来たら曲の土台となる、ドラムの打ち込みを行っていきます。

そもそもドラムセットとは大小様々なドラム(バスドラムやスネアドラム)やシンバル等の集まりの事を言います。
分かりにくいと思うのでとりあえず色んな太鼓が集まってドラムセットになって、このドラムセットを世間一般ではドラムと呼んでいると解釈して下さい。

ドラムの打ち込みではドラムのソフトウェア音源にどの太鼓をどのタイミングでどれ位の強さで叩くのか、という事を指示します。

ソフトウェア音源

画像の縦軸で太鼓の種類を選択して、横軸でタイミングを選択します。
鉛筆マーク横のVel:68という数値は叩く強さを表し0~127の幅で強弱を選択できます。
打ち込みが済んで出来上がったドラムの音源がこちらです。

ここまででドラムという素材の準備が出来ましたので次に素材の加工です。

実はこの素材の加工や集めた素材を調整するという作業は、この作業を専門に仕事をするいわゆるプロが存在する程難しく奥の深い世界です。それ程難しい作業なのに曲のクオリティを激しく左右してしまうのでDTMにおいてとても重要な工程です。

しかし技術が進んだここ数年ではこの作業を瞬時に行ってくれるソフトが発売されています。
プロが100点のクオリティ仕上げてくれるとしたらこういったソフトは一瞬で80点程のクオリティに仕上げてくれます。
僕が自分でこの作業をしたら膨大な時間をかけてもどれだけ頑張ってもおそらく50点程のクオリティになってしまいます。

唯一の解決策としてはこの作業を突き詰め勉強しプロに肉薄する技術を身につける、というものだけです。
しかし技術は数日で身につくわけはありません。年単位で身につけるものです。

なにより、僕にとって作詞作曲や録音等の作業は楽しいのですが素材の加工やその後の調整はとてもつまらないものです。
なので微調整は行いますが素材の加工、集めた素材の調整は基本的にソフトに任せています。

こちらがソフトに加工してもらった先ほどの音源です。

比べ物にならない程クオリティが上がっているのが分かると思います。

以上がドラム打ち込みの工程です。

  3.ベース録音

ベースはドラムと合わせてリズム隊と呼ばれ曲の土台を作る役割を担っています。
低音楽器の為目立ちにくいですが、曲の中での重要度はギターやピアノ等より高いです。

ベース

エレキギターやエレキベースはシールドと呼ばれるケーブルを使ってオーディオインターフェイスと接続し、実際に自分で演奏して録音を行います

シールド

アコースティックギター等単体で大きな音量を出せる楽器はマイクを使って録音ができますが、エレキギターやエレキベースは単体で大きな音量が出せません

なので弦の振動をピックアップと呼ばれるマイクで拾い電気信号として出力しアンプという機材で電気信号を増幅し大きな音量を出します。シールドとはその電気信号を外部へ届けるための物です。
エレキギター(エレキベース)➡シールド➡アンプ
このように接続して初めて楽器としての真価を発揮します。

DTMではオーディオインターフェイスを使ってPCと接続しただけではアンプがない状態です。
その為ソフトウェア音源のアンプを用意してDAW内に仮想のアンプを作り接続します。

エレキギター(エレキベース)➡シールド➡オーディオインターフェイス➡DAW内の仮想アンプ
上記がDTMでエレキギターやエレキベースを録音する為の接続の流れです。

録音が済んでソフトで加工した音源がこちらです。

次に先ほどのドラム音源と合わせた音源です。

以上がベース録音の工程です。

  4.ギター録音

リズム隊の準備が出来たら次はギターの録音をします。

僕は元々ギターを弾いており、楽しくてギターの音が大好きでギタリストになりたいと思っていました。ギター歴は10年程になります。

その後作曲した曲を形にする為DTMを始めました。
本来は自分で歌を歌うつもりがなかったのですが、作詞もしてみたくて自分一人で曲を完成させたかったので2年程前から歌の練習も始めました。
最近は継続した成果が徐々に出てきて歌うのが楽しくなり、練習を始める前に比べれば少しはましになってきました。(といってもまだまだ下手でもっと練習がいりますが・・・)

しかしそれでも曲の中で一番ギターの音やフレーズが好きで、弾くのもとても楽しいです。
そういった経緯から僕は、他のパートに比べてギター録音に力をいれています。

エレキギター録音の流れはベースと同じようにオーディオインターフェイスと接続しての演奏録音です。
違うのは録音の回数です。ベースは基本的に曲を支える土台なので録音するパートは1つで済みます。
しかしギターは曲によって伴奏をしたりフレーズやギターソロを弾いたり役割が多いです。

こちらがエレキギター伴奏パート加工済みの音源です。

DTMでは音量の大小以外にも、音の奥行きや音の左右を設定することが出来ます。その為ギターの伴奏パートで迫力を出す為、全く同じフレーズを2回弾いてそれぞれ左右に配置して音の迫力を出す、というDTMテクニックがあります。このテクニックをダブリングといいます。

こちらがダブリングをしたエレキギター伴奏パート加工済みの音源です。

ダブリング前と比べると迫力が上がっているのが分かると思います。(イヤホン等で聴いてもらうと違いが分かりやすいと思います)

必要があれば次にアコースティックギターの録音もします。こちらはマイクを使っての録音です。

こちらがダブリングをしたアコースティックギター伴奏パート加工済みの音源です。

ここまでの音源ドラム・ベース・ギターを合わせた音源です。

ここまでがギター伴奏パートの録音工程ですが、必要に応じてメロディやギターソロの録音も行います。

こちらがギターソロパートの伴奏音源です。

上記の音源にギターソロを合わせた音源がこちらです。

この音源では
・エレキギター伴奏(右)
・エレキギター伴奏(左)
・アコースティックギター伴奏(右)
・アコースティックギター伴奏(左)
・ギターソロ
・ギターソロのハモリ
の6つの録音したギターパートを合わせています。
以上がギター録音の工程です。

  5.その他の楽器の打ち込み

ドラム・ベース・ギターの準備が出来たら後はボーカルを準備すれば、いわゆるバンドサウンドは完成します。
しかし曲によっては他の楽器を更に合わせる事でクオリティを高める事が出来ます
今回はヴァイオリン・チェロ・ピアノを合わせていきます。

ドラムと同じくソフトウェア音源に打ち込みを行っていきます。
ただ僕が普段触る機会のないこの楽器達の打ち込みは、音選びやフレーズ作りが非常に難しいです。

ソフトウェア音源

まずはヴァイオリンの音源です。

次にチェロの音源です。

最後にピアノの音源です。

ここまででボーカル以外の準備が出来ました。

これまでの楽器を全て合わせた音源がこちらです。

いわゆるカラオケ音源で曲としてとりあえず成り立ちました。

ここまでがその他の楽器の打ち込みの工程です。

  6.ボーカル録音

いよいよ最後の素材ボーカルの準備です。
ボーカル録音はマイク録音なのですが、僕は音楽スタジオに行って録音しています。

理由は

・周囲の事を気にせず全力で歌える
・一般的な部屋では反響が起きるが音楽スタジオの部屋は音が反響しない作りになっており、マイクが反響音を拾わないため

の2つです。

ボーカルは今までの
打ち込み・録音➡ソフトによる加工
という工程にプラスして補正という作業があります。
この作業ではボーカルの音程やリズムを補正します。
ボーカル補正
画像の縦軸で音程修正、横軸でタイミングを修正できます。他にも1文字ごとに音量調節することも出来ます。
「歌の修正なんて卑怯!だ」という人も多いかもしれません(笑)
しかし現代においてボーカル補正はプロの現場でも当たり前に行われているのが事実です。
こちらが補正前のボーカル音源です。
次に補正後のボーカル音源です。
ボーカルはメインのパート以外にハモリなどのコーラスパートも録音します。
コーラスパートもギターのダブリングと同じように2回同じパートを録音して左右に振り分けるのですが目的が違います。ギターは音の迫力を出す為だったのですが、コーラスパートでは音に広がりを出す為に行います。
こちらが2回録音をして左右に振って、加工・補正したコーラスの音源です。

ここまでがボーカル録音の工程です。

  7.最終調整

1~6までの工程で素材の準備・加工が終わり後は調整をすれば完成です。

1~6までの素材を合わせた音源です。

調整では個々の音量を適正なものにしたり、他のパートと被った音域を削ったり音圧を上げたりしていきます。
最終的な音量が適正なものになるような調整もこの時行います。

ドラム打ち込みの項目で説明したようにこの調整の作業は専門に仕事をするプロがいる程奥の深い難しいものです。
なので僕は調整の7~8割程の作業はソフトにしてもらっています。

こちらが調整を行って完成した音源です。
音量が今までより大きいので再生時は注意して下さい

調整前と比べると、音の迫力や音量が上がって全体的に聴きやすくなっているのが分かると思います。
このように調整によって曲のクオリティが別物と言っていいほど変わってきます

1~7のこれまでの工程を経てやっと人に聴かせることの出来る曲の完成です。

フルverもあるので、良ければ聴いてみて下さい。

まとめ

1.BPM設定
・音楽におけるBPMは曲のテンポを表す
・曲の雰囲気を左右する為BPMは曲にとって非常に重要な要素
2.ドラム打ち込み
・大小様々な太鼓を集めたものをドラムセットと呼び通称としてドラムと呼ばれている
・叩く太鼓やタイミング、強弱を打ち込みによって指示していく
3.ベース録音
・ベースとドラムは合わせてリズム隊と呼ばれ曲の土台を作る役目を担っている
・シールドを使ってオーディオインターフェイスと接続し演奏して録音
4.ギター録音
・様々な役割があるので何度も録音する
・エレキギターはエレキベースと同じように録音するが、アコースティックギターはマイク録音
5.その他の楽器の打ち込み
・ドラムと同じくソフトウェア音源に打ち込んで指示をする
・曲に合う楽器を加えて曲のクオリティを上げる
6.ボーカル録音
・音楽スタジオでマイク録音
・必要に応じてハモリなどのコーラスパートも録音
・補正というボーカル独自の工程がある
7.最終調整
・音量、音域、音圧等完成する曲のクオリティに直結する作業
・専門に仕事をするプロがいる程難しい作業
長々と説明しましたが以上が僕が実際にPCで曲を作るときにしていることと流れです。
「思ってたより簡単なんだなー」と思うか、「滅茶苦茶面倒くさそう」と思うかは人それぞれだと思います。僕は作詞・作曲、ギターやベースのフレーズを考えて演奏して録音、歌ってボーカルの録音、以外のDTMの作業全てが面倒で嫌いです(笑)
出来る事なら打ち込みはしたくないし触ったことのない楽器のフレーズを考えたくないです。
特に調整・加工作業は全く楽しくないし難しいし奥は深いわでスキップしたいといつも思っています。

しかしそれらを乗り越えて曲を完成させると、0から一人で自分の納得する作品を生み出したという達成感と自信を得る事が出来ます。

オリジナル曲は自分で作った曲なので自分の「好き・カッコイイ・いい感じ」の集合体です。
自分の曲を聴いて「やっぱりギターソロカッコイイな!」と思ったり出来るのはDTMをしていたからこそだと思います。

そしてまだまだ改善点だらけで満足もしていないので、「次はもっといい曲をクオリティを上げて作るぞ!」と次の目標に繋がります。

この記事を読んだ後自分の好きなアーティストの曲を聴けば、「色んな作業の積み重ねで曲になってるんだな」と今までとはまた違った聴こえ方がしてくるかもしれません。

そしてもしこの記事を読んでオリジナル曲を作りたいと思ったり、DTMを始めたいと思った方がいたら僕は凄く嬉しいです。
僕に分かる事なら何でもお答えしますので、質問や疑問点があればいつでも聞いて下さい!

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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1st Single 「Stick To One's Will」 配信中

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