『マイヨ・ジョーヌ』、それはロードレースの世界で一番有名な特別ジャージです。
フランスを舞台にした、世界一有名なロードレース”ツール・ド・フランス“。
そんな『ツール・ド・フランス』で、成績に応じた特別なジャージを着る事は選手にとって最高の名誉です。
この記事では全選手が憧れる、『ツール・ド・フランス』の各賞ごとの特別なジャージについて説明します。
ツール・ド・フランスの各賞ジャージ
1.マイヨ・ジョーヌ
個人総合成績1位の選手が着用する黄色のジャージ、それが”マイヨ・ジョーヌ“です。
意味は『黄色いジャージ』です。
各ステージ終了時点で最も合計所要時間が少なかった選手が、次のステージで『マイヨ・ジョーヌ』を着用します。
そして約3週間に渡る激戦を制し『マイヨ・ジョーヌ』を着用して、パリ・シャンゼリゼで行われる最終ステージを終えた選手が『ツール・ド・フランス』覇者となります。
個人総合成績と直結したジャージなので、『ツール・ド・フランス』は『マイヨ・ジョーヌ』の奪い合いであるとも言えます。
世界一有名なレースで総合成績1位である事を示す『マイヨ・ジョーヌ』は、世界一のロードレース選手である事の証明でもあり全選手が憧れる非常に名誉あるジャージです。
『ツール・ド・フランス』を制するためには総合的な能力が必要なため、最終的な『マイヨ・ジョーヌ』着用者はオールラウンダーになることが多いです。
しかし山岳決戦が始まる前のレース前半のステージでは、平坦が多いためスプリンターや逃げに乗った選手が着用することもあります。
特に第1ステージはその日のステージ優勝=『マイヨ・ジョーヌ』着用という事になるため、どんな選手にも着用の可能性があります。
『ツール・ド・フランス』を象徴するジャージでもあるので、黄色は『ツール・ド・フランス』のイメージカラーでもあります。
2.マイヨ・ヴェール
ポイント賞1位の選手が着用する緑色のジャージ、それが”マイヨ・ヴェール“です。
意味は『緑色のジャージ』です。
各ステージのゴールやステージ途中のスプリントラインを通過した順位に応じて与えられる”スプリントポイント“。
各ステージ終了時点でそのスプリントポイントの合計が最も多い選手が、次のステージで『マイヨ・ヴェール』を着用します。
最終ステージを終えて、スプリントポイントの合計が最も多い選手が“ポイント賞“受賞者となります。
『ツール・ド・フランス』のスプリントポイントは平坦ステージでは高い得点、山岳ステージでは低い得点に設定されています。
そのためスプリンター向けの賞になっており、『マイヨ・ヴェール』は世界最強スプリンターの証とも言えるでしょう。
そんなポイント賞ですが近年は”ペテル・サガン“という選手が独占し、『マイヨ・ヴェール』=『ペテル・サガン』というイメージが定着しています。
2017年を除いた、2012年〜2016年・2018年・2019年となんと7度もポイント賞を受賞しています。
2017年は『スプリント中他選手の落車を誘発した』という理由で失格になったので、実力で負けたわけではありません。
今後この『ペテル・サガン』から実力で『マイヨ・ヴェール』を奪う選手が現れた時、それは『マイヨ・ヴェール』争いの新しい時代が到来したという事でしょう。
3.マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ
山岳賞1位の選手が着用する白地に赤い水玉模様のジャージ、それが”マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ“です。
意味は『赤い水玉模様の白いジャージ』です。
各ステージの丘や峠等の頂上付近に設けられた、山岳賞地点を通過した順位に応じて与えられる”山岳ポイント“。
各ステージ終了時点でその山岳ポイントの合計が最も多い選手が、次のステージで『マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ』を着用します。
最終ステージを終えて、山岳ポイントの合計が最も多い選手が”山岳賞“受賞者となります。
山岳は難易度によってカテゴリー分けされ、カテゴリーの高い山岳ほど山岳ポイントが高く設定されています。
そのため逃げなどでカテゴリーの低い山岳で山岳ポイントを積み重ねても、カテゴリーの高い山岳で山岳ポイントを取る選手に簡単に順位をひっくり返されてしまいます。
結果、『山岳賞』を獲得するには厳しい山岳でもトップで通過する登坂力が求められるので、『マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ』は世界最強のクライマーの証です。
ロードバイク乗りにとって、山岳などの登坂は特別なものです。
そのため『山岳賞』受賞者は、尊敬の念を込めて『山岳王』とも呼ばれます。
また山岳での戦いは順位に直結するので、まれに個人総合成績1位と同時に『山岳賞』を受賞する選手もいます。
4.マイヨ・ブラン
開催年に25歳以下の誕生日を迎える総合成績が最も上位の選手が着用する白いジャージ、それが”マイヨ・ブラン“です。
意味は『白いジャージ』です。
各ステージ終了時点で最も合計所要時間が少なかった、開催年に25歳以下の誕生日を迎える選手が次のステージで『マイヨ・ブラン』を着用します。
最終ステージを終えて、対象とされる選手の中で総合順位が最も高い選手が”新人賞“を獲得します。
日本では『新人賞』と言われることが多いですが、プロチーム所属からの経過年数に関わらず25歳以下が受賞対象者のため『ヤングライダー賞』とも捉える事が出来ます。
『マイヨ・ブラン』を獲得した選手はその後、グランツールレーサーとして活躍することが多いです。
そのため『マイヨ・ブラン』を獲得した選手は、未来の『マイヨ・ジョーヌ』候補と言えるでしょう。
また25歳以下で『新人賞』の対象でありながらも、総合1位に輝く選手がいます。
その選手は個人総合成績1位と同時に『新人賞』も受賞します。
2019年の覇者『エガン・ベルナル』は『マイヨ・ブラン』を飛び越して、22歳という若さでありながら『マイヨ・ジョーヌ』を手にしています。
各賞ジャージに注目すれば『ツール・ド・フランス』観戦がもっと楽しくなる!
1.『マイヨ・ジョーヌ』
・個人総合成績1位の選手が着用する黄色のジャージ
・全ての選手が憧れる世界で一番有名な特別ジャージ
2.『マイヨ・ヴェール』
・ポイント賞1位の選手が着用する緑色のジャージ
・最強のスプリンターの証
3『マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ』
・山岳賞1位の選手が着用する白地に赤い水玉模様のジャージ
・最強のクライマーの証
4.『マイヨ・ブラン』
・開催年に25歳以下の誕生日を迎える、個人総合成績が最も上位の選手が着用する白色のジャージ
・『新人賞』を獲得した選手は未来の『マイヨ・ジョーヌ』候補