「ローラー台が欲しいけど、種類が多くてよく分からない・・・」
ロードバイクに乗り慣れてローラー台が欲しいと思っても、こんな悩みがあると思います。
安い買い物では無いし購入してしまえば場所も取るので、ローラー台を購入する前には下調べが重要です。
今回の記事ではローラー台の種類、それぞれのローラー台のメリット・デメリット、どんな人にオススメなのかを説明します。
ローラー台の種類
1.3本ローラー台
ローラー台といわれてまずイメージするのは、この”3本ローラー台“では無いでしょうか。
使い方は簡単で、ローラー台の上にロードバイクを乗せるだけです。
回転するローラーの上を走行するので、実際に外を走行する感覚に非常に近いです。
そのため実際に外を走る上で必要な、体幹やバランス感覚を鍛えることが出来ます。
そしてロードバイクを固定しないので、フレームへのダメージがありません。
簡単に使える3本ローラー台ですが、デメリットもあります。
まずこれは3本ローラー台だからこそ起きる事なのですが、ローラー台使用中にバランスを崩すと転倒します。
ロードバイクがどこにも固定されていないので、ローラー台とはいえ外を走る時と同様油断出来ません。
そのため、他の事に気を回せる余裕が無いほど全力でもがく事は難しいです。
そして最も大きいデメリットが使用時に発生する音が非常に大きい、ということです。
掃除機と同じ程の音量なので、集合住宅での仕様は控えた方が無難です。
・せっかくだからローラー台で体幹やバランス感覚も鍛えたい
・フレームにダメージを与えたくない
・大きい音を出しても問題ない環境が整っている
2.固定ローラー台
3本ローラー台がロードバイクを一切固定しないのに対し、”固定ローラー台“はロードバイクをローラー台に固定して使用します。
後輪のクイックレリーズをローラー台に固定することで使用します。
また固定ローラー台の中でも、固定した後輪のタイヤをローラーに接地させて使用する”タイヤドライブ式“と、後輪のリムにローラーを押し付ける”リムドライブ式“の2種類があります。
しかしホイールにダメージを与えるリムドライブ式のローラー台は少なく、固定ローラー台の殆どがタイヤドライブ式です。
文字通りロードバイクが固定されているので、バランスを取る必要はなく転倒の心配もありません。
限界まで追い込んで意識朦朧となっても、転倒することがありません。
そのためトレーニングには、3本ローラー台より固定ローラー台のほうが向いています。
更に3本ローラー台より小さいので、設置場所に余裕が出来ます。
固定ローラーのデメリットは3つあります。
1つめはロードバイクがローラー台に固定されている為、実際の走行に必要なバランス等の感覚が身に付きません。
そのためローラー台で体を鍛える事と、実際の走行に必要なスキルは別々に身につける必要があります。
2つめは後輪タイヤの摩耗が早い事です。
タイヤドライブ式はタイヤをローラーに押し付けて使用するため、外を走ったときよりタイヤが摩耗します。
対策としては摩耗しにくいタイヤを履かせた、ローラー台専用の後輪ホイールを用意することです。
3つめはフレームやホイールにダメージがある事です。
リムドライブはリムをローラーで挟み込むためホイールにダメージがあります。
そして固定ローラー台はロードバイクを固定してしまう為、高出力で漕いだ時フレームのしなりを逃がす事が出来ずフレームにダメージを与えてしまいます。
ホイールの対策は後輪ホイールを用意する事。
フレームはどうしようもないので、本当に大事なフレームはそもそも固定ローラー台で使用しない事です。
・限界まで追い込むトレーニングがしたい
・ローラー台の使用に多少の手間がかかっても気にしない
3.ハイブリッドローラー台
3本ローラー台と固定ローラー台のいいとこ取りをしたローラー台が”ハイブリッドローラー台“です。
前輪を外してフロントフォークを固定し、後輪はローラーに乗せて使います。
フロントフォークを固定しているので転倒することが無いです。
更にタイヤをローラーに押し付けない自重式なので、固定ローラーよりタイヤの摩耗が少ないです。
またロードバイクで負荷がかかりやすい後輪側を固定しないので、フレームへのダメージが少ないです。
ハイブリッドローラー台は、レース前のウォーミングアップを想定されて設計されているものが多いです。
そのため携帯性や収納性が他のローラー台より高いです。
そんないいとこ取りのハイブリッドローラー台ですが、捉え方によっては中途半端とも言えます。
実際に走っている感覚は3本ローラー台に劣り、固定ローラー台程全力でもがく事が難しいです。
これといったデメリットはありませんが、ローラー台使用に明確な目的があるならハイブリッドローラー台は選択肢から自然と消えるでしょう。
・普段は外を走るので使用しない時は収納しておきたい
・とりあえずローラー台を試したい
4.ダイレクトドライブ式ローラー台
“ダイレクトドライブ式ローラー台“は登場からまだ5年程しか経っていない新しい種類のローラー台です。
ローラー台にスプロケットを取り付け、そこにチェーンをかけて使用します。
イメージとしてはローラー台を後輪に見立てて使用する感じです。
ロードバイクの後ろ側を固定する点は、固定ローラー台と同じですが特筆すべき点はその静音性です。
他のローラー台はホイールが回転しタイヤやリムとローラーとの摩擦音が発生します。
しかしダイレクトドライブ式はそもそも後輪ホイールを使用しません。
そのためローラー台使用時に発生するのは、チェーンとスプロケットの回転音とギヤチェンジの音位でとても静かです。
またローラー台本体でパワーやスピードを計測出来るモデルがあったり、中には”zwift“と連携して石畳走行時の振動や上り坂の斜度を再現したり出来るモデルもあります。
世界で活躍するトッププロのウォーミングアップでは、このダイレクトドライブ式が殆どです。
ダイレクトドライブ式ローラー台は歴史が浅いので、現在進行形で開発が進んでいます。
トッププロからのフィードバックもあり、各社が競い合って新商品を開発しているのでこの先まだまだ進化していくでしょう。
近い将来ハンドル操作も可能なモデルが出てきてもおかしくはありません。
これからのローラー台の未来を担うダイレクトドライブ式ですが、デメリットもあります。
まず価格が高い事。
高機能で最先端の機材なのでこれは仕方ない事です。
この問題はこれから開発が進みダイレクトドライブ式が更に普及することにより、価格が下がる事を待つしかありません。
次のデメリットは重たい事です。
持ち運びにも向いていないので、レース会場でのウォーミングアップに使うには不向きです。
そして最後のデメリットはフレームへのダメージが大きいことです。
ロードバイクの後ろ側を固定するという点は、固定ローラー台と同じでデメリットも変わりません。
しかし今回挙げたデメリットは現状改善されていないだけで、今後の開発でこれらのデメリットは全て消えてしまうかもしれません。
まだまだ進化中のローラー台、それがダイレクトドライブ式ローラー台です。
・zwiftを始めたい
・最先端の技術を体験したい
まとめ
・実際に外を走る感覚に非常に近い
・使用時の音が大きい
2.固定ローラー台
・転倒の心配がなく使用スペースが少ない
・タイヤの摩耗が早く、ホイールやフレームへのダメージがある
3.ハイブリッドローラー台
・3本ローラー台と固定ローラー台のいいとこ取り
・レース会場でのウォーミングアップに最適
4.ダイレクトドライブ式ローラー台
・静音性に優れ、最先端の技術を体験できるローラー台
・価格が高く、重量が重い