「パワーメーターが気になるけど、高いしガチ勢でもない自分が使うのは何だかなぁ・・・」
そんな事はありません。
パワーメーターは、ホビーライダーのあなたにこそ使って欲しい機材です。
確かにパワーメーターは高価な機材ですが、最近は価格も以前より下がって来ています。
何よりパワーメーターがあると、ロードバイクに乗ることが更に楽しくなります。
今回の記事では、パワーメーターを使うことによって得られるメリットについて説明しています。
パワーメーターとは
“パワーメーター“とはロードバイクに直接取り付け、乗り手がペダルを踏み込んだ際どの位の力をペダルに伝えているかを計る機材です。
出力は”W(ワット)“という単位で数値化され可視化されます。
スピードや心拍数は風向きや気温等、外的要因に影響を受けます。
しかしパワーメーターで計測される出力は外的要因を受けづらい為、客観的に自分の実力を把握することが出来ます。
パワーメーターのメリット
1.自分の成長が数値で明確に分かる
パワーメーターは瞬間的に自分の出力を確認するだけではなく、走行データの蓄積が出来ます。
そのため過去の自分との比較が簡単に、かつ明確に出来ます。
過去の自分と比べ成長していることが確認出来ると、嬉しさや達成感等非常にポジティブな気持ちになります。
トレーニングの成果がはっきりと分かり、更に成長しようという気持ちになるためトレーニングへのモチベーションが高まります。
過去の自分を上回る出力が出ている事を数値で確認できるので、RPGのレベル上げのようで意外と楽しいです。
速くなりたいという気持ちがなくても、過去の自分を超え続けていたら自然に速くなっていきます。
2.走行時のペース配分が出来る
パワーメーターで自分のデータを蓄積していくことにより、自分の実力を数値で把握することができます。
自分が200Wをどの位の時間キープできるか、400Wを1分間出力したら回復するのに何分間必要か。
そんな細かな事まで経験とデータから導き出す事が出来ます。
そのためレース・サイクリング問わずパワーメーターはペース配分に非常に役にたちます。
レースの場合はどこのタイミングでアタックするか、このままゴールまで同じペースで逃げ続ける事は可能か、等戦略を立てることが出来ます。
サイクリングでは向かい風だからと頑張り過ぎ無いようにしたり、道中の峠で頂上を迎える前に限界を超えないように調節したり出来ます。
ロードバイクに毎日何時間も乗るプロのロードレーサーは、自分の感覚だけでも適切なペース配分が出来るそうです。
しかし趣味としてロードバイクに乗っている我々ホビーライダーがその境地に達することは、それこそプロと同じくらいロードバイクに乗らないと不可能です。
なのでホビーライダーこそパワーメーターを使ったペース配分がオススメです。
3.貧脚詐欺を見破れる
“貧脚詐欺“というのを聞いた事があるでしょうか。
ロードバイクの世界で貧脚とは、簡単に言うと『あまり速くない』という事です。
知り合ったロードバイク乗りと「今度一緒に走りに行こう」という話になったとします。
その時相手が「貧脚なんで当日お手柔らかにお願いしますね」と言っていたので楽な気持ちで走行日当日。
いざ走り出すと自称貧脚のそのロードバイク乗りがめちゃくちゃ速くて後ろに付くのも厳しい・・・。
「貧脚って嘘じゃねぇか・・・、騙された!」
この一連の流れが貧脚詐欺です(笑)
パワーメーターを使用していると、この詐欺を見破る事が出来ます。
「”FTP“と”パワーウエイトレシオ“はどれくらいですか」という質問で本当に貧脚かどうか判断できます。
そもそもこの質問にすらすら答える時点で、パワーメーターを使ったトレーニングについて知識があるので若干怪しいです(笑)
あとは自分がFTPとパワーウエイトレシオからどの程度の実力か導き出せる知識を身につけておく事で、貧脚詐欺を完全に見破れます。
4.プロの凄さがデータで分かる
有り難いことにトッププロが自分のレース・トレーニング問わず、走行データを公表してくれていることがあります。
そのため一緒に走行することはまず出来ない海外のトッププロが、どれ程人間離れしているかということをデータから読み取る事が出来ます。
プロと自分を明確に比較することが出来る。
これはロードレースファンにとって、非常に楽しく嬉しいことです。
自分が1分間も持たないようなペースで1時間近く山岳を登り続けたり、自分の最大パワーの2倍近いパワーでスプリントをしたり。
想像も出来ないような苦しいトレーニングを積んで得た常人離れした出力をぶつけ合っているのが分かるので、ロードレースを観ていると、尊敬を超えた感動すら生まれます。
5.効率的なトレーニングが出来る
ロードバイクのトレーニングにおいて重要なことは、自分の特性を理解した上で自分がどうなりたいかという目標を明確にすることです。
ヒルクライムレースの為に1時間の出力を底上げしたいのか、クリテリウムの為に短時間高強度のインターバル能力が欲しいのか。
ヒルクライムレースに出たいのに短時間インターバル能力を強化してもあまり意味はないですし、逆もまた然りです。
パワーメーターがあると蓄積したデータから、自分の得意分野と苦手な分野が分かる上に狙った能力の強化が適切に出来ます。
パワーメーターを使ったトレーニングは研究されており、伸ばしたい能力ごとのトレーニング方法は確立されています。
有名なのは”パワー・トレーニング・バイブル“です。
パワーメーターを使う時の注意点
パワーメーターは非常に便利な機材ですが、1つだけ注意点があります。
それは数値に固執し過ぎてしまうことです。
これはトレーニングに真面目に取り組んでいる人が陥りやすい状況です。
速く走る為にトレーニングをしているのに、いつの間にか大きい出力値を出すこと自体が目的になってしまうのです。
例えば時速30km/hでの走行が効率のいいペダリングだったら150Wの出力で可能なのに、同じ30km/hで無駄だらけの大きい出力を出す為のペダリングで200Wを出して「200Wで走れた!」と喜ぶ。
これでは本末転倒です。
あくまで目的は速く走ることであって、大きい出力値を出すことではありません。
理想は小さいパワーで速く走ることです。
パワーメーターは使うものであって、自分がパワーメーターに使われないように注意しましょう。
まとめ
・乗り手がロードバイクに伝えている出力を、W(ワット)という単位で数値化する事が出来る計器
・自分の実力を客観的に把握することが出来る
・過去の自分と明確に比較出来る
・成長を実感することでモチベーションが高まる
2.走行時のペース配分が出来る
・レース、サイクリング問わずペース配分に使える
・感覚でペース配分が出来るのはプロならでは
3.貧脚詐欺を見破れる
・知識があると相手のデータから実力を推測出来る
4.プロの凄さがデータで分かる
・トッププロは走行データを公表してくれている事がある
・更にロードレース観戦が楽しくなる
5.効率的なトレーニングが出来る
・明確な目標を持つことがトレーニングにおいて重要
・パワーメーターを使ったトレーニング方法が確立されている
・大きい出力値を出すことが目的ではない