『人食い鬼』、『宇宙人』、『ポケット・ロケット』。
これらはトップロードレーサーに付けられたあだ名です。
決して馬鹿にされているわけではなく、その殆どがあまりの強さに畏怖と尊敬を込めて名付けられています。
あだ名を持った選手は非常に特徴的でスター性があるので、ロードレース観戦を始めたばかりの人が選手を覚える第一歩にとてもオススメです。
今回の記事であだ名を持つトップロードレーサーについて、あだ名の由来と共に簡単に紹介していきます。
ロードレース 選手のあだ名
1.『ザ・カニバル(人食い鬼)』エディ・メルクス
1960年代~1970年代に活躍したベルギー出身の”エディ・メルクス“は、史上最強と言われ歴史に名を残す偉大な選手です。
『3大グランツール』・『5大モニュメント』・『世界選手権』。
どれか1つでも勝利を納めればその選手のキャリアは大成功と言えるタイトルを、エディ・メルクスは全て獲得しています。
更には当時の『アワーレコード(1時間で走れる距離を競う競技)』で新記録を樹立。
現役通算勝利数は、なんと525勝。
そのあまりの強さとどんなレースでも勝利を狙う貪欲さから、”ザ・カニバリ(人食い鬼)“と呼ばれ恐れられていました。
2.『エル・ピストレロ』アルベルト・コンタドール
2017年に引退したスペイン出身の”アルベルト・コンタドール“は、熱い走りで人気を博した選手です。
史上5人目となる、3大グランツール完全制覇を達成しています。
上体を左右に大きく揺らす独特なダンシングが有名です。
Tbt pre Tour de France! 🔥🔥🔥 #Verbier #2009 #QuereresPoder 📽: @letourdefrance pic.twitter.com/YGgZEDdrGa
— Alberto Contador (@albertocontador) July 4, 2019
そしてレースで勝利した時に、手を拳銃に見立てて撃つ通称『バキューンポーズ』を披露することから”エル・ピストレロ“というあだ名で呼ばれていました。
余談ですが漫画『弱虫ペダル』の登場人物、新開隼人のバキューンポーズはこのコンタドールのバキューンポーズが元ネタとなっていると思われます。
3.『メッシーナ海峡の鮫』ヴィンチェンツォ・ニバリ
イタリア・メッシーナ出身の”ヴィンチェンツォ・ニバリ“は、史上6人目の3大グランツール完全制覇達成者です。
下り坂が得意で、ダウンヒルのスペシャリストです。
グランツールを制す程のステージレーサーでありながら、モニュメントの『イル・ロンバルディア』と『ミラノ〜サンレモ』でも勝利しています。
本人もあだ名を気に入っているので、勝利した時に鮫のポーズを決めてファンを喜ばせてくれます(笑)
4.『スパルタクス』ファビアン・カンチェラーラ
“ファビアン・カンチェラーラ“は2016年に引退したスイス出身の選手です。
『TT世界選手権』を4度制し、オリンピックの個人TTでも2回金メダルを獲得しているTTスペシャリストです。
圧倒的な強さを持ちながらダンディさがにじみ出ているので、男でも惚れてしまうほどカッコ良い選手です。
それにしても男前(笑)
5.『マン島超特急』マーク・カヴェンディッシュ
“マーク・カヴェンディッシュ“はイギリス・マン島出身のスプリンターです。
ツール・ド・フランス区間優勝数が歴代2位の30勝(歴代1位はエディ・メルクスの34勝)、更に『世界選手権』と『ミラノ〜サンレモ』でも勝利しています。
スプリンターとして一時代を築き上げたその圧倒的なスプリント力から、”マン島超特急“というあだ名で呼ばれています。
トラック競技出身であり、マディソンという種目で世界選手権を3度制しています。
6.『ゴリラ』アンドレ・グライペル
“アンドレ・グライペル“はドイツ出身のスプリンターです。
出場したグランツールで12回連続で区間優勝をあげた記録もある、ベテランスプリンターです。
183cm/80kgという体格から繰り出される豪快なスプリントで、”ゴリラ“というあだ名で呼ばれています。
本人もこのあだ名を気にいっており、なんとグライペル本人が歌いMVにも出演している『GO GORILLA』という曲があります。
「Go Gorilla GO GO GO」という歌詞とメロディーが印象的な曲です(笑)
グライペルの人柄の良さがにじみ出たMVになっています。
7.『ポケット・ロケット』カレブ・ユアン
“カレブ・ユアン“はオーストラリア出身のスプリンターです。
25歳にして3大グランツールで区間優勝を達成しており、これは史上最年少の記録です。
165cm/61kgとスプリンターとしては非常に小柄ですが、その体型を活かした異様な程前傾した超低空スプリントフォームから”ポケット・ロケット“というあだ名で呼ばれています。
1994年生まれとまだ若いので、今後の活躍にも期待がかかる選手です。
まとめ
1.『ザ・カニバル人食い鬼)』エディ・メルクス
・史上最強と言われる選手
・あまりの強さと勝利への貪欲さがあだ名の由来
2.『エル・ピストレロ』アルベルト・コンタドール
・史上5人目の3大グランツール完全制覇達成者
・勝利の時のバキューンポーズがあだ名の由来
3.『メッシーナ海峡の鮫』ヴィンチェンツォ・ニバリ
・ステージレーサーでありながらモニュメントも制す実力者
・アタックを繰り返す攻撃的な走りがあだ名の由来
4.『スパルタクス』ファビアン・カンチェラーラ
・『異次元の走り』とも呼ばれる独走力を誇るTTスペシャリスト
・圧倒的な強さがあだ名の由来
5『マン島超特急』マーク・カヴェンディッシュ
・ツール・ド・フランスに区間優勝数が30勝
・圧倒的なスプリントがあだ名の由来
6.『ゴリラ』アンドレ・グライペル
・グランツールで数多くの区間優勝をあげたベテランスプリンター
・ガッチリとした体格から繰り出す豪快なスプリントがあだ名の由来
7.『ポケット・ロケット』カレブ・ユアン
・史上最年少で3大グランツール区間優勝を達成
・小柄な体格を活かした超低空スプリントフォームがあだ名の由来