クランク

ロードバイク クランク長の違いが走りに与える影響

ロードバイクのパーツは『ハンドル』や『ステム』等のように、mm単位の長さで選択出来る物が多いです。

『身長・体重・筋肉量・脚の長さ』など体の作りは人により違い、『ペダリングフォーム・ポジション』なども個人差や好みにより大きく変わる事が、パーツを細かく選択出来る大きな要因です。

 

『クランク長(クランクの長さ)』も、mm単位で選択出来るパーツの1つです。

『クランク』はエンジンである人の動力をペダルを通じてギアに届ける大事な中継地点であり、1分間に100回以上回転する事もあるので、たかが数mmの違いと言えど走りに大きな影響があります。

 

この記事では『クランク長』の違いが走りに与える影響と、『クランク長』を選択する基準について説明していきます。

ロードバイク(自転車)に乗る以上ペダリングは誰もが行うものなので、ぜひ最後まで目を通してみて下さい。

ロードバイクと『クランク長』

クランク長とは

クランク長とは、クランクの『クランク取り付け穴の中心』から『ペダル取り付け穴の中心』までの長さの事です。(写真の赤線がクランク長)

クランク クランク

『SHIMANO』製クランクのクランク長は、160mm〜180mmの間から選択出来ます。

以下の表は、コンポーネントのグレードとクランク長の対応表です。(●が販売されているクランクです)

クランク長/コンポのグレード デュラエース(R9100) アルテグラ(R8000) 105(R7000) TIAGRA(FC-4700) SORA(FC-R3000)
160mm
165mm
167.5mm
170mm
172.5mm
175mm
177.5mm
180mm

最上位グレードの『デュラエース』は、165〜180mmの間から2.5mm間隔でクランク長を選択可能です。

現在160mmのクランク長は『105』のグレードでのみ選択可能です。

クランク裏側のペダル穴付近に、クランクの型番とクランク長が記載されています。

クランク
【僕は旧モデルの『105』、クランク長165mmのクランクを使用しています】

クランク長による影響

クランク長による影響はロードレース界で長年議論や研究が行われていますが、TT(タイムトライアル)にはクランク長が短い方が有利で、ヒルクライムにはクランク長が長い方が有利というのが定説です。

 

まずクランク長が長い場合です。

クランク長が長いと、クランクの中心点からペダルまでの距離が長くなります。

そのため『てこの原理』でトルクをかけやすく、高出力でグイグイと走るヒルクライムに有利と言われます。

クランク長

 

次にクランク長が短い場合です。

クランク長が短いと、クランクの中心点からペダルまでの距離が短くなります。

そのため、ペダルの軌道円が小さくなりケイデンスを上げやすくなります。

 

またクランク長が短くなる事によりペダリング時ペダルの軌道がコンパクトになり、サドルの高さを数mm上げる事が出来ます。

結果、深い前傾姿勢のポジションが取れるので前傾投影面積が少なくなり、空気抵抗を減らすことが出来ます。

高ケイデンスを維持しやすい事と、空気抵抗の削減が出来る事が理由でTTに有利と言われます。

ロードバイクと『空気抵抗』の関係については、こちらの記事をご覧ください。

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クランク長を選ぶ基準

指標で選ぶ

クランク長の選び方には『身長や股下の長さを指標にする』という方法があります。

 

有名な指標では、身長の10分の1の長さのクランク長が適正というものがあります。

身長160cmなら160mmのクランク、身長175cmなら175mmのクランクが適正といった感じです。

長さ

 

他にも『股下の長さ×1.25+65』や『身長の9.5%』といった指標があります。

『クランク長選びの指標』については、こちらの記事が分かりやすくてオススメです。

CYCLE NOTE

ロードバイクのクランク長さが体に合っていないと効率よくパワーが伝達できないだけでなく、膝や足首を痛めるリスクもあります。…

 

しかし、指標はあくまで指標です。

そのため、指標だけでクランク長を選択するのはオススメしません。

自分の目的や脚質で選ぶ

クランク長は先程説明した『指標』で基準を導きだしたうえで、自分の目的や脚質で導き出したクランク長より長くするか短くするかを決めるのがオススメです。

何故ならクランク長は走りに直接影響するので、指標だけで選んでしまうと自分の目的や脚質と合っていないクランク長になってしまう可能性があるからです。

クランク選びの例
身長165cmでヒルクライムをメインに走る
→基準の165mmより長い170mmのクランク長
身長180cmで平坦TTをメインに走る
→基準の180mmより短い175mmのクランク長
『脚質』についてはこちらの記事をご覧下さい。
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トッププロも自分の目的や脚質、更に好みによってクランク長を選んでいるので、指標とかけ離れたクランク長の選手も数多くいます。
選手名 身長 クランク長 脚質
サイモン・イェーツ 172cm 170mm クライマー
ナイロ・キンタナ 167cm 172.5mm クライマー
トニー・マルティン 185cm 175mm TTスペシャリスト
ファビアン・カンチェラーラ 186cm 177.5mm TTスペシャリスト
クリス・フルーム 186cm 175mm オールラウンダー
マルセル・キッテル 189cm 175mm スプリンター

クランク長を一度決めたら慣れるべき

クランク長は指標や自分の目的などを使って一度決めたら、頻繁に変えるのはオススメしません。

ペダリングは1分間に100回近く行うので、2時間も乗れば1万回転を簡単に超えます。

そのためクランク長に合わせたペダリングは体に染み付きやすく、コロコロとクランク長を変えていたらスランプに陥る可能性があります。

 

またクランクの交換は手軽に出来るものではなく、長さの違うクランクを何種類も用意しておく必要があるので、クランク長さを頻繁に変える事自体あまり現実的ではありません。

完成車でロードバイクに慣れたあと自分の目的に合わせてクランクを交換したり、新しいロードバイクを購入した時にクランク長を変えるのが、現実的なクランク長変更のタイミングだと思います。

 

そしてクランク長を変えたら、そのクランク長に合わせたペダリングが出来るように慣れるのがオススメです。

クランク長変更後あまりに違和感や不快感が多いなら、すぐにクランク長を変更したり元のクランク長に戻すのは良いと思います。
この記事があなたのロードバイクライフを豊かにする事に、少しでも役立てば幸いです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
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