ロードバイクの醍醐味であるヒルクライム(登坂)を行った後には、必ずダウンヒル(下り)があります。
平坦では出ないような速度が簡単に出てコントロールも難しい下りが、怖くて苦手な初心者の方は多いと思います。
むしろバイクを制御出来ていないのに恐怖心を全く感じない人は、とても危険です。
下りは、トッププロが安全マージンを取っていても落車する事がある程難しいものです。
恐怖心から来る緊張感は絶対に必要です。
・遠くを見る
・歩行者に注意する
・急ブレーキはしない
・対向車線にはみ出さない
この記事には、速く下る為のコツやテクニックは一切書いてありません。
安全に下り終える事が目的です。
下りで初心者が絶対に意識するべき5つの事
制御出来るスピードで走る
『自分がバイクを制御出来ないスピードは出さない』、これは下りにおいて一番重要な事です。
下りでは何もしなくても速度が上がっていくので、自分がバイクを制御出来ないスピードが簡単に出てしまいます。
制御出来ていないと『道路上の障害物・歩行者・対向車』など、あらゆる状況に対応する事が出来ません。
またバイクが制御出来ない状態であるからこそ、必要以上の恐怖心を感じてしまいます。
まずは自分の心に余裕を持つ事が大事なので、スピードが出過ぎる前に減速をして『もし道に木が落ちていても対応出来る』と思えるような速度を維持しましょう。
遠くを見る
ロードバイクでの走行中は基本的に、視線は下に落とさず進行方向を遠くに見ます。
視線を下に落とすと車体がふらついたり、進行方向の状況を把握する事が出来ないからです。
この『遠くをみる』という意識は、下りでは特に重要です。
下りでは平坦より速度が出やすいので進行方向に障害物などの危険がある場合に、そこまでの到達時間が短くなります。
速度が出ている下りでの対処の遅れは命取りです。
視線を落として車体がふらつく事も、同様に命取りになります。
しっかりと進行方向を遠くにみて、前方の状況を事前に確認しておきましょう。
歩行者に注意する
これは早朝の山に多いのですが、ウォーキングなどで山に来ている歩行者の方がいる事があるので注意しましょう。
下りの速度が出ている状態で歩行者に激突すると、命を奪いかねません。
見通しの悪い左コーナーの出口などは、特に注意が必要です。
対策としては『左コーナーはイン側に寄り過ぎない』、『右コーナーはアウト側に寄り過ぎない』事です。
また、歩行者は基本的に道路の端を歩いてくれていますが、まれに車道に大きくはみ出している人がいます。
そのため『制御出来る速度での走行』、『遠くを見て前方の状況確認』は常に欠かさないようにしましょう。
急ブレーキはしない
下りで減速の為に急ブレーキする事は、危険なので行わないようにしましょう。
オーバースピードになる前に、緩やかにブレーキをかけて減速して下さい。
フロント急ブレーキは前輪がロックされ、荷重が前方に一気にかかって後輪が浮いて転倒に繋がります。
リア急ブレーキは後輪がロックされ、タイヤが横滑りしてコントロールを失います。
緊急時にどうしても急ブレーキが必要な場面はありますが、ホイールをロックしない程度の強さでブレーキを握る必要があります。
「緊急時にそんな事考えている余裕は無い!」と思うかもしれません。
しかし、そもそも『制御できるスピードで、前方の状況を確認』をしっかりしていれば、急ブレーキが必要な場面になる前に回避出来るはずです。
対向車線にはみ出さない
左コーナーで膨らみすぎたり右コーナーでインに寄り過ぎて、対向車線にはみ出す事が無いように気を付けて下さい。
下っている最中の速度で車と正面衝突すれば、無事では済みません。
対向車線に膨らまないように、コーナー前でしっかりと減速をしましょう。
またコーナーでは先程説明したように、歩行者がいるかもしれない事を考えて『走行車線の真ん中より若干左寄り』を意識して走りましょう。
ブレーキは交換した方が良い
今回説明した事をしっかりと実践すれば、下りを安全に終える事は充分可能です。
ですが、エントリーグレード(〜25万円程度)のロードバイクに最初から装備されているブレーキは、制動力が低い場合が殆どです。(リムブレーキの話です)
下りでの走行に関わらずブレーキは命に直結するので、上位グレードに交換した方が良いです。
【僕は旧モデルの『アルテグラ』のブレーキに交換して使用しています】
ブレーキ自体1万円程度で購入可能で、自分で交換する事も可能です。
この記事が下りで悩む人の参考に、少しでも役立てば幸いです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。